植物も生きているのに食べていいの?

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ベジタリアンヴィーガンの人は、動物を殺したくないからお肉や魚などを食べないと聞いた。でも、野菜や果物といった植物は殺して食べている。植物だって生きているのに、殺して食べてもいいの? 」

 

このような疑問を持ったり、他人に言われたりしたことはありませんか?

実はこれ、ベジタリアンが胡散臭いと思われる原因のひとつなんです。

 

「ペットの犬や猫と同じように、牛や豚にも生きる権利がある!命を差別しちゃだめ!」って言いながら、動物と植物は差別していいんか、なんやそれ。

 

と、なるわけです。確かに…そうですよね。私もはじめはそこに矛盾を感じていました。植物も生きています。生きていくためには、生命を頂かなければなりません。でも、ベジの方々は他のものの命を奪いたくない、エシカルに生きたい、環境破壊に加担したくない、という思いを持っていると思います。

 

だけど、植物はいいのかな…。

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2009年、ニューヨークタイムズ紙に「植物も生きたがっている」という記事が掲載されました。記事は「植物が捕食者や病気と戦う優れた積極的手段を持つ」という研究に基づいていて、だから「植物も生きたがっている」と主張するというもの。

 

植物も動物と同じように生きたい!と感じているのに、動物だけ「差別」して食べないなんて、身勝手やなー。むしろ動物を食べずに植物ばっかり食べてたら植物虐待やんか!

 

というノンベジの方の批判が聞こえてきそう…。

 

ただ、「植物が捕食者や病気と戦う優れた積極的手段を持つ」からといって、植物に感情があるということではありません。少し難しい話になりますが、苦楽や感情を味わうには脳と中枢神経が必要で、植物にはどちらもありません。

 

でも、痛みを感じなくても、生き物を殺して食べる事には変わらないやんか!

 

そうです。だけど、ベジの皆さん、ご安心ください。

 

もし仮に、植物も苦痛を感じていたとしても、植物を食べる方が何倍も良いです。人は何かを食べなければ生きていけず、つまり何かを殺して生きています。道徳的には動物にせよ、植物にせよ、生き物の死と苦しみに関与するのは最小限にとどめるべきです。動物(家畜)を食べるのは動物に対し直接に痛みと死を与えます。

 

ポイントはここです。その家畜を育てるために大量の植物が餌として必要になります。だから、間接的に植物の苦しみも何倍にも大きくなるのです。つまり、植物を食べる方が最終的に殺さなければならない生き物が最小限に抑えられるということ。これを見落としている人が結構多いように思います。「肉食は効率が悪い」んですね。

 

最終的に殺さなければならない生き物が最小限に抑えるために、植物を食べてもいい!と自信を持ちましょう。

 

今後、誰かに「植物はいいの?」と聞かれたときの答え方のヒントになれば幸いです。

 

 

参考

シェリー・ コーブ(2017)『菜食への疑問に答える13章: 生き方が変わる、生き方を変える』、新評論

ニューヨークタイムズ紙の記事:Natalie Angier (2009)“Sorry, Vegans: Brussels Sprouts Like to Live, Too”<https://www.nytimes.com/2009/12/22/science/22angi.