キャリアオイル
キャリアオイルとは「運ぶオイル」
キャリアオイルとは、アロマテラピーで使われる植物油のことです。
スキンケアに精油を使用する際は、キャリアオイルで希釈して使用します。精油は直接肌につけてはいけないからです。
キャリアオイルは英語でcarrier oil（運ぶオイル）という意味ですが、その名の通り、キャリアオイルと混ぜることで精油の成分を効果的に肌に送り込むことができます。
より肌に優しく、効率的に精油の効果を期待するためにも、キャリアオイルは重要です。
どれがいいの？
キャリアオイルと精油の組み合わせにきまりはありません。
肌にあわせたもの、緩和したい症状にあわせたものを使用しましょう。
精製？未精製？
未精製のオイルは、色が濃く、成分も濃いです。
しかし、敏感肌の方には刺激になることもあるので、精製の方がよいこともあります。
使用前はパッチテストをおこなってください。
- 精製：色やにおいが気にならないものが多く、さらさらしていて使いやすいです。
- 未精製：素材の色やにおいがそのまま残っており、粘性が高いものが多いです。栄養価が高いですが、酸化しやすいというデメリットもあります。
キャリアオイルの分類
キャリアオイルには、大きく分けて油脂と液体ワックスがあります。
植物性スクワランはこの二つに当てはまらず、炭化水素という分類になります。
油脂
- 油：常温時に液体
乾性油：空気中に放置すると固化する（ローズヒップオイル）
半乾性油（セサミオイル、菜種油）
不乾性油：空気中に放置しても固化しない（アボカドオイル、オリーブオイル、マカダミアナッツオイル、キャスターオイル）
- 脂：常温で固体（ココナッツオイル、シアバター）
液体ワックス
（ホホバ油）
脂肪酸の種類
キャリアオイルのほとんどは脂肪酸を主成分としています。
脂肪酸にはさまざまな種類があり、その種類によってオイルの性質が決まります。
- ステアリン酸：天然に広く分布する脂肪酸。常温で白色固体、無臭。
- パルミチン酸：抗酸化作用が強い。常温で白色固体。
- ミリスチン酸：起泡性にすぐれているため、石鹸などに添加される。
- ラウリン酸：菌の活動を抑える抗菌活性を持つ。水を油に溶かす作用があるため、石鹸やシャンプーに添加される。
- オレイン酸：肌刺激が少ない。血中コレステロールを下げる効果がある。アクネ菌のえさとなるため、にきび肌には使用しない。
- パルミトレイン酸：人の皮膚に含まれ、加齢とともに減少する脂肪酸に似ているので、アンチエイジングに効果がある。
- リノール酸：不足すると傷の治りが遅くなったり、パサつき、抜け毛などの頭髪トラブルが起こる。
- リノレン酸：栄養素として摂取必須の脂肪酸。
- リシノール酸：鎮痛・抗炎症作用。
キャリアオイルの種類
椿油（カメリアオイル）
酸化しにくい。髪や頭皮に。ふけやかゆみの防止に効果的。
アボカドオイル
ビタミン・ミネラルが豊富で美容効果が高い。
オリーブオイル
酸化しにくい。肌なじみがよく、保湿効果が高い。
スイートアーモンドオイル
肌に優しく、保湿効果が高い。無臭でさらさらしているので使いやすい。敏感肌・乾燥肌向け。
マカダミアナッツオイル
酸化しにくい。肌なじみがよく、使用感がよい。アンチエイジング効果が期待できる。ナッツアレルギーのある人は避ける。
シアバター
クリームなどに使用する。
カカオバター
クリームなどに使用する。
グレープシードオイル
伸びがよく、使用感が軽いのでマッサージに。ビタミン・ポリフェノールが豊富。敏感肌・脂性肌向け。
セサミオイル
保湿効果が高い。マッサージ・ヘアケア向き。温めると効果が高まる。
ローズヒップオイル
ビタミンが豊富で肌再生効果が期待できる。使用感が軽く、スキンケア向き。敏感肌・脂性肌向け。
キャスターオイル（ひまし油）
保湿効果が高く、光沢を出す効果があるため、リップクリームなどに向いている。
ココナッツオイル
比較的刺激が強い。髪の保護・修復に効果があるのでヘアケアにも。菌を抑える作用があるので、デオドラント効果が期待できる。
ホホバオイル
酸化しにくい。保湿効果が高く、肌なじみがよく使いやすい。紫外線から肌を保護する効果がある。オレイン酸含有量は12％ほどなので、乾燥～脂性肌まで幅広い肌質に使える。
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